第3回単独研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第3回研究会

 

日本応用数理学会 「行列・固有値の解法とその応用」研究部会では、 第3回単独研究会を2007年7月31日(火)に北海道旭川市で 開催します。

プログラム

オープニング 主査:櫻井鉄也(筑波大学)(10:20)

【セッション1:反復解法における並列処理】座長:片桐孝洋(東大)

  • 講演1(10:30~11:00)
    線形方程式の反復解法におけるCellプロセッサ向き前処理法
    ○木原 崇智(筑波大学大学院システム情報工学研究科),小瀧 義久(筑波大学大学院システム情報工学研究科),多田野 寛人(京都大学大学院情報学研究科),櫻井 鉄也(筑波大学大学院システム情報工学研究科)

    概要: 線形方程式の反復解法において,Cellの特徴を有効に利用する前処理について述べる.本方法をCell上で実装し,量子色力学(QCD)シミュレーションで現れる線形方程式に適用した結果を示す.

  • 講演2(11:00~11:30)
    階層型領域分割によるマルチステージ並列前処理手法 使用した並列有限要素法向け反復解法
    ○中島研吾(東大・理)

    概要: 本研究は,不均質場における静的弾性問題を対象とした並列有限要素法アプリケーションに対して,階層領域分割によるマルチステージ並列前処理手法(Parallel HierarchicalInterface Decomposition Algorithm, PHIDAL)〔Henon, Saad 2007〕に基づく反復法ソルバーを適用したものである。Fill-inを考慮した実装を適用し,従来のオーバーラップ型並列前処理手法との比較を実施した。

【昼休み】

【招待講演】座長:片桐孝洋(東大)

  • 招待講演(13:00~14:00)
    特異値分解ライブラリのための最小特異値見積もり公式について
    ○木村欣司(新潟大学大学院自然科学研究科)、高田雅美(奈良女子大学大学院人間文化研究科)、坪井洋明(京都大学大学院情報学研究科/JST)、中村佳正(京都大学大学院情報学研究科/JST)

    概要: 収束の進んでいない2重対角行列においても機能する最小特異値見積もり公式を提案する。行列に関する数学理論とアンダーソン局在理論を使った公式である。その公式を用いることで、LV型特異値計算ライブラリの反復回数を飛躍的に減少させることができる。その結果、特異値の計算精度を改善することができる。さらに、twist分解による特異ベクトルの計算精度は特異値の計算精度に依存するため、特異ベクトルの計算精度を向上させることもできる。

【セッション2:前処理と反復法】座長:櫻井鉄也(筑波大)

  • 講演3(14:00~14:30)
    題目:対角項に0を持つ線形方程式に対する可変的前処理付きGMRES法
    ○長原里華(東京理科大学院理学研究科M2),阿部邦美(岐阜聖徳学園大学経済情報学部),石渡恵美子(東京理科大学理学部),藤野清次(九州大学情報基盤研究開発センター)

    概要: 非対称大規模疎行列を係数行列にもつ連立一次方程式の効果的な解法の一つとして,可変的前処理付きGMRES法がある.さらに,この解法の内部反復(前処理を行うための反復)にSOR法を用いると,従来の不完全LU分解前処理付きGMRES法では解けない問題に対しても有効な場合があることが報告されている.しかしながら,対角項に零要素を持つ行列については,SOR法を適用できないという問題点もある.そこで本研究では,対角項に零要素を持つ行列に対し,数学的に同値な変換を施すことで,可変的前処理付きGMRES法の内部反復にSOR法が適用可能になるように試みた.数値実験では,このSOR法を用いる可変的前処理付きGMRES法の有効性を示す.

  • 講演4(14:30~15:00)
    特異行列に対するある種のSOR法を用いた可変的前処理付きGCR法
    ○青戸大介(東京理科大学院理学研究科M2),石渡恵美子(東京理科大学理学部),阿部邦美(岐阜聖徳学園大学経済情報学部)

    概要: 非対称大規模疎行列を係数行列にもつ連立一次方程式に対し,可変的前処理付きGCR法は効果的な解法の一つである.また,可変的前処理付きGCR法の内部反復(前処理を行うための反復)にSOR法を用いると有効な場合があることが報告されている.しかし,SOR法を前処理に使った場合,対角項に0を持つような行列に対しては適用ができない.そこで本研究では,特異行列(特に長方形行列)や対角項に0を持つような行列にも適用できるように,SOR法の反復行列の生成における行列の分離方法を変更し,対角項に0が生じないようなある種の改良を行った.数値実験では,この改良したSOR法を可変的前処理付きGCR法に適用したときの有効性を示す.

  • 講演5(15:00~15:30)
    直接法と反復法そして対角優位化技法を融合させた解法の特性について
    ○藤野清次(九州大学 情報基盤研究開発センター),土持秀之(九州大学 大学院)

    概要: 直接法として大規模疎行列用直接法ライブラリWSMPを用いて、閾値tolつきの対角優位化技法MC64を援用したときの前処理つき反復法の収束性評価を行う.

【休憩】(15:30~15:45 )

【セッション3:固有値問題】座長:直野健(日立)

  • 講演6(15:45~16:15)
    大規模疎行列の非線形固有値問題の数値解法
    ○大井幸平(名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻),水野吉規,曽我部知広(名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻),山本有作(名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻),張紹良(名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻)

    概要:各要素がパラメータλに依存する行列A(λ)に対し,A(λ)x=0を満たすベクトルx≠0とλを求める問題を考える。この問題の解法としては多変数Newton法に基づく方法があるが,適切な初期値の設定が難しい。そこで本研究では,λが非線形固有値であることと,定数行列A(λ)に対する線形固有値問題が0を解に持つことが等価であることを用い,後者の線形固有値問題をArnoldi法を用いて解く。本手法を乱流の解析で生じる最大50万元の非線形固有値問題に適用したところ,物理的に重要な量である正の最小固有値を高精度で求めることができた。

  • 講演7(16:15~16:45)
    題目: AMLS法による固有値分布の推定法
    ○先崎 健太(筑波大学システム情報工学研究科M1),多田野 寛人(京都大学),櫻井 鉄也 (筑波大学システム情報工学研究科)

    概要: 本発表では,一般化固有値問題の高速な解法であるAMLS法(Automated Multi-Level Sub-structuring method)と他の解法を組み合わせることで高精度の解を得る方法について述べる.

クロージング 幹事:片桐孝洋(東京大学)(17:00頃)
懇親会(旭川市内)(18:30~)
隠れ家ダイニング 灯り庭
住所:〒070-0031 北海道旭川市一条通6丁目 旭川ワシントンホテルB1
電話:0166-29-1112 FAX:0166-29-1113
http://www.asahikawa-town.com/mypage/as012579/
地図:http://www.asahikawa-town.com/map/as012579
JR旭川駅より徒歩5分

参加申し込み:
研究発表の申込みは締め切りました。
会場の収容人数の都合により定員になり次第参加申込を 締め切らせていただきますので、あらかじめご了承ください。

-----------------------
katagiriアットマークcc.u-tokyo.ac.jp まで

第3回研究会(旭川)参加申込票

お名前:

ご所属:

電子メール:
-----------------------

懇親会申し込み:

-----------------------
2007年7月17日(火)までに katagiri@cc.u-tokyo.ac.jp まで

懇親会参加票

7月31日(火)18時30分から開催される
日本応用数理学会行列・固有値の解法とその応用研究部会
第三回旭川研究会の懇親会に参加します

お名前:
ご所属:
電子メール:

会費:5000円程度
-----------------------

なお、本研究会による宿泊施設や航空券の斡旋は一切いたしません。
本研究会の後には旭川市の祭りが予定されており、直前となりますと 宿泊場所の確保が困難となる恐れがあります。各自お早めにご確保ください。