第11回 3部会連携「応用数理セミナー」

日本応用数理学会の「行列・固有値問題の解法とその応用」,「科学技術計算と数値解析」,「計算の品質」の三部会が連携し,学部生・大学院生,企業の研究者・技術者を対象にした,「応用数理セミナー」を実施します.初心者向きの内容を意識しております.分野外の方も気軽にご参加ください.

日時:2019年12月24日(火) 10:00-17:30

場所:東京大学本郷キャンパス 工学部6号館 3階セミナー室AD
(〒113-8656 東京都文京区本郷 7 丁目 3-1)

主催:日本応用数理学会

行列・固有値の解法とその応用 研究部会

科学技術計算と数値解析 研究部会

計算の品質 研究部会


プログラム

9:30 受付開始

10:00-12:00 行列・固有値の解法とその応用研究部会

酒井幹夫(東京大学)『粉体・固気・固液・固気液混相流の数値シミュレーション』

粉体および固体粒子を含む混相流の数値シミュレーションには、ラグランジュ的手法のdiscrete element method(以下、DEMと記す)およびDEMとcomputational fluid dynamics(以下、CFDと記す)を連成したDEM-CFD法が広く使用されている。著者のグループでは、粉体および混相流の数値シミュレーションの産業応用のために、壁境界モデルやスケーリング則モデルを新たに開発した。signed distance function(以下、SDFと記す)のようなスカラーフィールドによる壁境界モデルやSDFとimmersed boundary methodを組み合わせた壁境界モデルを使用すると、シンプルなアルゴリズムで任意形状壁面内の粉体や混相流のシミュレーションを実行することができる。また、スケーリング則モデルを用いると、実際よりも少ない計算粒子数で大規模体系の計算を実行することができる。これらのモデルは様々な体系においてVerificationおよびValidationにより妥当性の検証がなされている。本講演では、事例を交えて、粉体および混相流の数値シミュレーションについて説明する。

12:00-13:15 休憩

13:15-15:15 科学技術計算と数値解析研究部会

杉谷宜紀 (東北大学AIMR) 『Kerasを使った機械学習入門』

Kerasとは2015年に登場したニューラルネットワーク全般を扱う為のPythonライブラリであり、現在最も広く使われている機械学習ソフトウェアの一つである。TensorFlowやTheanoをエンジンとしてKerasは動作するが、テンソル変数の演算や学習の最適化アルゴリズムなどの理解がなくても気軽に実装できるのが特徴と言える。講義ではデータ解析の道具としての機械学習実践として、簡単な線形回帰やロジスティック回帰からCNNやRNNといった深層学習まで、画像、テキスト、時系列データ等の公開されているデータセットを使って実演する。

15:15-15:30 休憩

15:30-17:30 計算の品質研究部会

Kai T. Ohlhus(Tokyo Woman’s Christian University)”Your own GNU Octave under the Xmas tree – finish your numerical experiments before New Year’s Eve”

GNU Octave is a numerical computing environment and a high-level programming language. It provides a convenient interface for solving linear and nonlinear problems, and for performing other numerical experiments. The language is mostly compatible with MATLAB. Besides 2D and 3D plotting capabilities, Octave provides an integrated development environment for editing, debugging, and profiling numerical algorithms.  Octave can be freely obtained, modified, and redistributed under the terms of the GPL, the free and open source software license.

This talk aims to provide a deeper knowledge in developing fast numerical algorithms using Octave by investigating several possibilities and limitations of that software.  Some topics covered are how to write fast Octave code by considering vectorization, appropriate data types, and memory management strategies. Concepts for organizing larger software projects by using object-oriented programming and packages are presented and how to conveniently interface existing C/C++ and Fortran code libraries.  This knowledge is a good start for the development of GNU Octave itself and how to build custom versions, which will be introduced in the remainder of the talk.


注意:

  1. 参加登録は不要です.HPをご覧の皆様ぜひふるってご参加ください.
  2. 資料は印刷しません.講義日当日に会場にて,電子版へのアクセスの仕方をおしらせします.資料を見るための道具は各自でご用意ください.
  3. 会場ではeduroamが利用できます.

問い合わせ先:相島健助(法政大学) aishima [at] hosei.ac.jp

過去のセミナー: 2018 / 2017 / 2016 / 2015 / 2014

JSIAM Online Magazine (JOM): 2018 /2017 / 2016 / 2015 / 2014