第30回単独研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第30回研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第30回研究会を開催致します.

  • 開催日:2020年12月7日(月)
  • 会場:オンライン(zoom)
    オンライン開催のため、事前参加登録制とさせて頂きます。参加を希望される方は下記 参加登録フォーム より参加登録をお願いします。

本研究会は,JSIAM Letters の投稿条件を満たす研究会です.
http://jsiaml.jsiam.org/jsiaml_Announcement-ja.html


【運営委員会】
研究会にあわせて「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会の運営委員会を開催致します.

  • 時間:12:40 – 13:10
  • 会場:オンライン(zoom)
    zoomの接続方法については別途アナウンス致します。

プログラム

Slack説明会 13:15 – 13:25
質疑で使用するSlackの導入についての説明を行います。

オープニング 13:25 – 13:30 主査:今倉暁(筑波大学)

セッション1 13:30 – 14:45 座長:今倉暁(筑波大学)

  • 講演1(13:30 – 13:55)
    フィルタ対角化法についての改良
    ○村上 弘(東京都立大学)
    概要: フィルタ対角化法について若干の改良を試みる.例えば,フィルタを適用する最初のベクトルの組を完全な乱数にはせずに,求めたい固有ベクトルの割合を少し高めたものにしてみる.また,フィルタをレゾルベントから構成する作用素の多項式とする場合に,伝達関数の遠方での値を零にするように修正を加えてみる.また,多項式型のフィルタを作用させる場合に,その途中でベクトルの組の再直交化を行えるようにすることを試みる.
  • 講演2(13:55 – 14:20)
    高精度行列積を用いて固有ベクトル行列から固有値を計算する方法について
    ○尾崎 克久(芝浦工業大学),荻田 武史(東京女子大学),椋木 大地(理研R-CCS)
    概要: 本講演では,固有ベクトルから高精度に固有値を求める方法を紹介する.レイリー商に基づく固有値の計算に対して,エラーフリー変換を用いた高精度な行列積の計算法を用いることにより,効率的に高精度な固有値が求まることを示す.また,単精度演算が倍精度演算に対して非常に高速なGPU向けに特化されたエラーフリー変換を応用した高精度計算法も提案する.数値実験ではCPUとGPUを用いた結果を紹介する.
  • 講演3(14:20 – 14:45)
    非対称行列の摂動を受けた対称行列の固有値について
    ○吉澤 真太郎(トヨタ自動車株式会社 未来創生センター センター基盤研究室)
    概要: 一般ランクの摂動を受けた正則行列の行列式公式を導出し、摂動を受ける正則行列の固有値との関係を述べる.ここで,一般ランクの摂動行列は対称行列とは限らないランク1行列の和から構成されたものとする.また,ランク1の一般的に非対称行列による摂動を受けた対角行列の固有値は実数となるが,その固有値の順序について,力学系を活用することで,大(小)から小(大)にソートするなどの性質について報告する.
セッション2 15:00 – 16:15 座長:保國 惠一(筑波大学)
  • 講演4(15:00 – 15:25)
    行列対数関数のためのニュートン法の精度改善
    ○中村 真輔(秋田県立大学)
    概要: 行列対数関数の計算法としては inverse scaling and squaring が知られており,その過程で行列の平方根を求めるためのニュートン法が用いられる.そのニュートン法にはいくつかの変種があるが,その中でも特に対数関数の補正項も同時に計算できる積型 DB 反復が有用である.ただしこの手順では桁落ちの影響を受けやすい.そこで桁落ちを回避するための改善について提案し,数値実験によってその効果を検証する.
  • 講演5(15:25 – 15:50)
    Comparison of Quasi Monte Carlo methods for generating initial solutions for the Cluster Gauss-Newton method
    ○Dongfa MA (School of Mathematical Science, Tongji University), Ken HAYAMI (National Institute of Informatics, The Graduate University for Advanced Studies (SOKENDAI) ), Jun-Feng YIN (School of Mathematical Science, Tongji University)
    概要: We compare several Quasi-Monte Carlo (QMC) methods and the standard random number generator for generating multi-dimensional initial solutions for the Cluster Gauss-Newton (CGN) method (Aoki, Hayami et al., 2020), which is a method for finding multiple approximate minimizers of nonlinear least squares problems.
  • 講演6(15:50 – 16:15)
    反復改良法とGMRES法を用いた整数演算による線形ソルバ
    ○岩下 武史(北海道大学),鈴木 謙吾(北海道大学),深谷 猛(北海道大学)
    概要: 本講演では,整数演算を用いたGMRESソルバとそれを利用した反復改良法について紹介する.係数行列やベクトルのデータフォーマットやオーバーフローを避けるための基本演算におけるオペランドの調整法について説明する.また,GMRES法の特徴を利用したオペランドの調整量の設定について紹介する.最後に,公開行列データベースから取得した行列に基づいた数値実験結果を紹介し,開発したソルバと標準的な浮動小数点演算に基づくGMRESソルバの比較を収束性の観点から行う.
セッション3 16:30 – 17:45 座長:深谷 猛(北海道大学)
  • 講演7(16:30 – 16:55)
    メニィコアクラスタ向け並列多重格子法の最適化
    ○中島 研吾(東大・理研),Balazs Gerofi(理研),石川 裕(理研),堀越 将司(インテル)
    概要: 並列多重格子法は,エクサスケールシステムにおける大規模問題向け数値解法として注目されている.本研究では,並列多重格子法のメニィコアクラスタにおけるノード内性能の最適化に注目し,疎行列格納法としてSELL-C-Sigmaを実装・性能評価事例を紹介する.不均一多孔質媒体中の三次元地下水流れ問題を多重格子法前処理付き共役勾配法によって解くアプリケーションに適用し,Oakforest-PACSシステム(OFP)最大1,024ノードを使用した評価を実施し,従来手法と比較して最大30%近い性能向上を達成した.さらに、軽量カーネルIHK/McKernelの効果についても検討を実施し,OFPの1,024ノードで12%の改善を達成した.
  • 講演8(16:55 – 17:20)
    3次元モデル再構成問題に現れる鞍点型連立一次方程式に対する前処理付き反復法の開発
    ○石川 翔大(筑波大学),多田野 寛人(筑波大学),齋藤 歩(山形大学)
    概要: 3次元物体の連続した断層画像からボリューメトリックモデルと呼ばれる3Dモデルを構成する手法の一つに,鞍点型連立一次方程式の求解を必要とするアプリケーションが存在する.本研究では,鞍点型連立一次方程式のブロック構造を利用して,求解しやすい方程式へ変形することで,高速な求解手法を検討する.また,構築した求解手法に対して前処理付き反復法を適用することで,さらなる高速化を図る.
  • 講演9(17:20 – 17:45)
    漸化式に着目したblock Krylov部分空間法のresidual gap評価と残差スムージング
    ○相原 研輔(東京都市大学),今倉 暁(筑波大学),保國 惠一(筑波大学)
    概要: Block BiCGSTAB法などの短い漸化式を用いるblock Krylov部分空間法では,丸め誤差の影響により,residual gap(漸化式から求まる残差と真の残差の差)が大きくなり,近似解の到達精度が低下する場合がある.本発表では,各種のblock Krylov部分空間法で現れる,近似解や残差を更新する数種類の漸化式に対して,残差ノルムの大きな振動がresidual gapを拡大させる主要因となることを示し,この問題を解決するための残差スムージングを新たに提案する.
クロージング 17:45 – 17:50 幹事:相原 研輔(東京都市大学)

懇親会 18:00 –
zoom上でのオンライン懇親会を予定しています.ぜひお気軽にご参加下さい.


講演申し込みフォーム

講演申し込みは締切ました。


参加申込フォーム

  • オンライン開催のため、事前参加登録制とさせて頂きます。
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