日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第36回研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第36回研究会を開催致します.

  • 開催日:2023年12月8日(金)
  • 会場:オンライン(Zoom)

オンライン開催のため,事前登録制とさせて頂きます.参加・講演を希望される方は下記の「参加申し込みフォーム」・「講演申し込みフォーム」より登録をお願い致します.両フォームは独立したものですので,講演をご希望の場合は,講演申し込みとは別途,参加申し込みもお願い致します.講演時間は,質疑応答を含めて20分~30分を予定しています(全体の講演数を踏まえて決定致します).

本研究会での発表には,JSIAM Letters 誌への投稿権が付与されます.(著者に日本応用数理学会会員が含まれていなくても JSIAM Letters 誌への投稿機会が与えられます.投稿受付期間は 2023年12月9日~2024年12月31日 です.)

問い合わせ先:hsato <at> i.kyoto-u.ac.jp(担当:京都大学 佐藤 寛之)


参加申し込みフォーム

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    プログラム

    オープニング(14:00~14:05):相原 研輔(東京都市大学)

    第1セッション 座長:保國 惠一(筑波大学)

    講演1(14:05~14:30):○橋本 悠香(NTT),池田 正弘(理研AIP),Hachem Kadri(Marseille大)
    RKHMとPerron-Frobenius作用素を用いたカーネル深層学習

    概要:本発表では,RKHMの関数を複数合成することによるカーネル深層学習を提案し,その汎化性能について考察する.関数合成を表現する線形作用素であるPerron-Frobenius作用素をRKHM上で定義することで,単独の関数に関する議論を複数の関数の合成に対して拡張する.C*環やPerron-Frobenius作用素を用いることで,作用素ノルムが利用可能となり関数の出力次元に対する依存性が低い性能評価が可能になる,良性過学習との関連性を考察可能になる,などの利点があることを議論する.

    講演2(14:30~14:55):○吉澤 真太郎(トヨタ自動車株式会社)
    確率行列のフロベニウス標準形と反射型ランダムウォーク固有値問題

    概要:相似変換によって対称化可能な確率行列の固有値問題を考える.Szegedyが考察した推移確率行列(反射型ランダムウォーク(2004))に対するGoogleテレポーテーション行列の摂動によって,推移確率行列の固有値及び特性方程式が受ける影響や,推移確率行列の最大固有ベクトルの成分ランキングへの影響を考える.

    第2セッション 座長:橋本 悠香(NTT)*12/7: 座長が変更となりました.予めご了承下さい.

    講演3(15:10~15:35):○山本 実央(東京都市大学),相原 研輔(東京都市大学)
    Global CG法に対する可変的前処理と誤差Aノルムの収束振る舞い

    概要:CG法は大規模かつ疎な正定値対称行列を係数とする連立一次方程式に有効であり,複数右辺ベクトルをもつ場合や一般の線形行列方程式に向けて,global型への拡張もなされている.また,前処理を施すことで収束性は大幅に向上することが知られている.本研究では,global CG法に関して,可変的前処理の一種である“反復法を用いた前処理”に着目し,その前処理付きアルゴリズムの組み立て,および誤差Aノルムの収束振る舞いについて考察する.

    講演4(15:35~16:00):○Kota Sugihara (no affiliation), Ken Hayami (National Institute of Informatics)
    Right preconditioned GMRES for arbitrary singular systems

    概要:GMRES determines a least squares solution of singular linear systems without breakdown for arbitrary right-hand side if and only if the coefficients matrix is range-symmetric. We propose a right preconditioned GMRES using the product of an SPD matrix and the transpose of the coefficient matrix. This determines a least squares solution without breakdown for arbitrary singular systems. To make the method numerically stable for inconsistent systems, we propose using pseudoinverse with an appropriate threshold parameter to suppress the influence of tiny singular values of the severely ill-conditioned Hessenberg systems arising in GMRES. Numerical experiments show that the method is effective.

    講演5(16:00~16:25):○高谷 周平(個人)
    対称Deflated Systemに対するCR法の適用について

    概要:クリロフ部分空間法の収束性を改善する技法であるdeflationをBiCR法に適用するための手続きとして、deflated BiCG法のための線形方程式にBiCR法をそのまま適用することが考えられる。本講演では理論的検討の端緒としてdeflated CG法で解かれる特異な対称問題がCR法の収束条件を満たす事を述べる。

    第3セッション 座長:相原 研輔(東京都市大学)

    講演6(16:40~17:05):○宮下 朋也(電気通信大学),工藤 周平(電気通信大学),山本 有作(電気通信大学)
    二重指数関数型数値積分公式を用いた行列符号関数計算法の丸め誤差解析

    概要:二重指数関数型数値積分公式を用いた行列符号関数計算法は大粒度並列性を持ち,他手法では困難な大規模行列での高速計算が期待される.一方,この計算法は悪条件の行列や非正規性の強い行列に対して誤差が大きくなる傾向がある.本発表では,丸め誤差解析によりその原因を調べるとともに,被積分関数の変形により誤差を減らす方法を提案する.また,並列性能の評価結果についても示す.

    講演7(17:05~17:30):○村上 弘(東京都立大学)
    縦長行列の列選択を行うハウスホルダ型QR分解とその分散並列化

    概要:ハウスホルダQR分解法では行列Aに列の順に作成した鏡映を毎回適用して上三角行列Rを作り,鏡映を逆順に用いて列正規直交行列Qを得てA=QRとする.これに対して毎回の鏡映を2乗ノルム最大の列から決めて列交換を行いながら上三角化を行うと性質の良いRが得られて,Pを列の置換としてAP=QRとなる.Aが極めて縦長ならば列交換をしない形のQR分解はTSQR法で容易に分散並列化できるが,列交換を行う形の分解についても同様にできることを示し,簡単な実験を行う.

    クロージング(17:30~17:35):相原 研輔(東京都市大学)

    懇親会(18:00~): Zoom上でのオンライン懇親会を予定しています.ぜひお気軽にご参加下さい.


    講演申し込みフォーム( 〆切:2023年11月10日(金) )

    〆切延長:2023年11月17日(金)

    講演申し込みは締め切りました.