第14回単独研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第14回研究会

 

日本応用数理学会「行列・固有値の解法とその応用」研究部会では,第14回研究会を開催します.

  • 開催日:2012年11月20日(火)
  • 会場:筑波大学計算科学研究センター 1階 ワークショップ室
  • 住所:〒305-8577 茨城県つくば市天王台1-1-1
  • アクセス:http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/CCS/ccs_introduction/access
  • 懇親会について
    研究会終了後に懇親会を開催致します.懇親会の詳細・参加申し込み方法につきましてはこちら をご覧下さい.
  • 運営委員会について
    セッション1終了後,運営委員会を開催致します.運営委員の方は こちら をご覧下さい.


プログラム

オープニング 幹事:曽我部 知広(愛知県立大学)(10:55 ~ 11:00)

セッション1 座長:多田野 寛人(筑波大学)(11:00 ~ 12:15)

  • 講演1(11:00 ~ 11:25)
    行列の近似的同時ブロック対角化アルゴリズム
    ○前原 貴憲(国立情報学研究所),室田 一雄(東京大学)

    概要:与えられた複数の行列を同じ直交行列で同時にブロック対角化する手法は物理学・信号処理・最適化など幅広い応用をもつ基本的な道具である.中でも工学的応用では入力が観測誤差等の数値誤差を含む場合が多く,近似的な同時ブロック対角化を行う手法が必要となっている.本発表では行列*代数と交換子の理論に基づく近似的分解手法を紹介する.この手法は行列の同時ブロック対角化問題を半正定値行列の固有値問題へと帰着する.

  • 講演2(11:25 ~ 11:50)
    実対称行列のブロック鏡映変換によるブロック三重対角化のOpenMP並列化
    ○村上 弘(首都大学東京・数理情報科学専攻)

    概要:ブロック鏡映変換を用いた実対称行列のブロック三重対角形への変換処理をOpenMPにより並列化実装して計算機実験を行った。計算の大部分はブロック小行列(タイル)間の行列積(xGEMM)であるため,メモリバンド幅を押さえた密度の高い計算が行える。現時点での簡単な実装例では,一般普及品の例えばインテル社製マルチコアCPUを用いたPC上で,CPUの理論性能上限の70%から80%程度の計算性能が得られている。

  • 講演3(11:50 ~ 12:15)
    一般上三角行列束に対するクロネッカ基底計算アルゴリズムの構築
    ○久保田 将司, 桑島 豊, 重原 孝臣(埼玉大学)

    概要:本研究は、任意に与えられた行列束に対して、一般上三角行列束に変換してクロネッカ基底(KB)を求めるクロネッカ基底計算アルゴリズムの構築を目標とする。入力行列束を一般上三角行列束に変換することによって、入力行列束のKBはGaussの消去法のような基本変形を主とした計算で求めることができる。このアルゴリズムを計算機を用いて数値実験を行い、相対残差によって精度を評価する。

昼休み(12:15 ~ 13:45)

招待講演 座長:松尾 宇泰(東京大学)

  • 招待講演(13:45 ~ 14:45)
    超大規模電子状態計算にみるApplication-Algorithm-Architecture co-design
    ○星 健夫(鳥取大学、JST-CREST(ポストペタ))

    概要:我々が開発している超大規模電子状態計算コードELSES(http://www.elses.jp/)を、実アプリ-数理アルゴリズム(線形計算)-計算機科学の融合研究として外観する。ナノ産業応用への取り組み、「京」でのベンチマークなどを示し、そこから派生する、現在・近未来の線形計算的・HPC的問題を提示する。
    最近のプレプリント:http://arxiv.org/abs/1210.1531

休憩(14:45 ~ 15:00)

セッション2 座長:相島 健助(東京大学)(15:00 ~ 16:15)

  • 講演4(15:00 ~ 15:25)
    スタティックパイプライン版タイルQRアルゴリズムのOpenMP実装
    ○鈴木智博(山梨大学)

    概要:マルチコアアーキテクチャ向きの行列分解の並列アルゴリズムにタイルアルゴリズムがある。これは行列をタイル(小行列)に分割し、タイル毎に分解・更新演算を行うため高い並列性を持つ。近年我々は OpenMP、MPI によるタイルアルゴリズムの並列実装を行っている。今回の報告では OpenMP 並列実装のいくつかのアプローチと高速化のための要点を紹介する。

  • 講演5(15:25 ~ 15:50)
    符号付き特異値を用いた大規模非線形固有値問題の解法と理論流体力学への応用
    大井 幸平,○山本 有作(神戸大学),曽我部 知広(愛知県立大学),張 紹良(名古屋大学)

    概要:非線形固有値問題A(z)x=0に対し、実軸上の固有値を求める手法を提案する。固有値は行列A(z)を特異にするzの値であり、A(z)の最小特異値σ(z)の零点として特徴付けられる。しかし、関数σ(z)は微係数に不連続点を持つため、非線形方程式の解法を適用しにくい。そこで、符号付きの特異値を導入し、零点の近くで滑らかな関数を構成することで、この問題を解決する。本手法を2次元モデル乱流における4点相関関数の計算に適用した例を示す。

  • 講演6(15:50 ~ 16:15)
    大規模固有値問題に対する固有値分布推定について
    ○前田 恭行(筑波大学大学院システム情報工学研究科M2),櫻井 鉄也(筑波大学システム情報系)

    概要:大規模固有値問題の内部固有値を求める解法として,Shift-Invert-Arnoldi法や櫻井・杉浦法がある.これらの解法は固有値の分布に応じたパラメータの設定により計算精度が変化する.本発表ではそれらの固有値解法の前段階として固有値分布推定を行い,その結果を用いてパラメータを設定する方法について発表する.また数値実験によりその有効性を確認する.

休憩(16:15 ~ 16:30)

セッション3 座長:曽我部 知広(愛知県立大学)(16:30 ~ 17:45)

  • 講演7(16:30 ~ 16:55)
    拡張Steffensen法・拡張Shanks変換を用いた, 非線形連立方程式・固有値と特異値問題・線形最小二乗共役勾配法における数値解法
    ○石井政行

    概要:これまで、Jacobian-freeな多変数の数値解法としては, ブレジンスキーのε-アルゴリズムとBroydenの方法とHenrich法が存在するが,時間や反復回数などの向上を図るため, とりわけ一変数のSteffensen法とShanks変換を多変数版に拡張することを考え,このことが多変数版の非線形連立方程式の数値解法にも有効であることを示し, さらにこれらの方法は固有値・特異値・線形最小二乗共役勾配法でもε-アルゴリズムと同等以上の性能であることを示す

  • 講演8(16:55 ~ 17:20)
    櫻井・杉浦法におけるshifted Krylov部分空間反復法の応用
    ○二村 保徳(筑波大学大学院システム情報工学研究科D2),櫻井 鉄也(筑波大学システム情報系)

    概要:本講演では大規模疎行列向け固有値解法,櫻井・杉浦法におけるshifted Krylov部分空間反復法の応用について述べる.

  • 講演9(17:20 ~ 17:45)
    複数右辺ベクトルを持つ線形方程式に対するWeighted Block GMRES法
    ○今倉 暁, 杜 磊, 多田野 寛人(筑波大学)

    概要:線形方程式に対するGMRES(m)法の改良法として, 重み付きノルムに基づく最小残差条件を用いたWeighted GMRES法が知られている.本講演では, 複数右辺ベクトルを持つ線形方程式に対する重み付きノルムに基づく最小残差条件を導入し, Block GMRES法の改良法としてWeighted Block GMRES法を提案する.

クロージング 主査:松尾 宇泰(東京大学)(17:45 ~ 17:50)


運営委員会

  • 日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 運営委員会
    時間:13:15 ~ 13:40
    会場:計算科学研究センター 会議室C

懇親会
研究会終了後,下記に於きまして懇親会を開催致します.

会場:一年中おでん屋 はなび
場所:http://r.gnavi.co.jp/a644900/map/
時間:18:30 〜 20:30
会費:4,000円(飲み放題)
備考:懇親会場には,筑波大学から送迎バスで移動します.

懇親会に参加を希望される方は,下記の懇親会参加票にてお申し込み下さい.
なお,研究会当日の参加申し込みはできませんので,ご了承下さい.

申し込み先:tadano アットマーク cs.tsukuba.ac.jp
締め切り :2012年11月17日(土) 12:00

懇親会参加票
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Subject: 第14回研究会 懇親会申し込み
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懇親会に参加します.

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