第18回単独研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第18回研究会

 

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第18回研究会を開催致します.

【懇親会】
研究会終了後,懇親会を開催いたします.懇親会の詳細・参加申し込み方法につきましては こちら をご覧ください.

【運営委員会】
セッション1終了後,「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会の運営委員会を開催いたします.運営委員の方は こちら をご覧ください.


プログラム

オープニング 主査: 曽我部 知広(愛知県立大学)(10:55 ~ 11:00)

セッション1 座長: 宮田 考史(名古屋大学)(11:00 ~ 12:00)

  • 講演1(11:00 ~ 11:30)
    軸制約下における回転の最小分解アルゴリズム
    ○浜田 充(玉川大学)

    概要:回転をSU(2)の元とみなし,与えられた任意の回転をある制約のもと最小個数の回転の積に分解するアルゴリズムを与える.制約は積を構成する因子の軸があらかじめ与えられた2軸のいずれかであることである.建設的な本結果は量子計算回路のユニヴァーサルな構成に利用できる.(分解の最小個数も最適解の一部として求まるが,その数は幾らでも大きくなり得る.一方,複数の量子計算の教科書の記述から,”常に分解の最小個数≦3″と云うに等しい誤信が跋扈していることが分かる.したがって,多くの研究者が認識すらしていなかった量子回路構成の問題を解決したことになる.)時間が許せば,副産物として得た結果についても述べる.

  • 講演2(11:30 ~ 12:00)
    Application of Inner-iteration Krylov Subspace Method to Linear Programming Problems
    ○Yiran CUI (Department of Computer Science, University College London),保國 惠一 (Institute of Computer Science, Academy of Sciences of the Czech Republic),土谷 隆(政策研究大学院大学),速水 謙(国立情報学研究所, 総合研究大学院大学)

    概要:We present a predictor-corrector interior-point algorithm for linear programming whose search directions are computed by solving least squares problems. As the iteration approaches the optimal solution, the least squares problems become increasingly ill-conditioned. Thus, we apply the AB-GMRES method preconditioned by NE-SOR inner iterations to solve the least squares problem at each interior-point step. The advantage of this method is that it does not break down even when previous direct methods do. Also, we can save computation time and storage compared to previous explicit preconditioners.

昼休み(12:00 ~ 13:30)

セッション2 座長: 多田野 寛人(筑波大学)(13:30 ~ 15:00)

  • 講演3(13:30 ~ 14:00)
    Modulus-Type Inner Outer Iterative Methods for Nonnegative Constrained Least Squares Problems
    ○Ning Zheng(総合研究大学院大学, Tongji University),速水 謙(国立情報学研究所, 総合研究大学院大学),Jun-Feng Yin (Tongji University)

    概要:For the solution of large sparse nonnegative constrained least squares problems (NNLS), a new iterative method is proposed by using CGLS (Conjugate Gradient Least Squares) method for inner iterations and the modulus-based iterative method in the outer iterations for the solution of LCP (Linear Complementarity Problem) resulting from KKT (Karush-Kuhn-Tucker) conditions of NNLS problem. Theoretical convergence analysis including the optimal choice of parameter matrix is presented for the proposed method. Numerical experiments show the efficiency of the method compared to projection-type methods with less iteration steps and CPU time. In the talk we also plan to treat box constrained least squares problems.

  • 講演4(14:00 ~ 14:30)
    Hybrid並列版MrsR(ミセスR)法の並列性能評価
    岩里 洸介(九州大学大学院),○藤野 清次(九州大学)

    概要:係数行列Aが対称な連立 1 次方程式を分散メモリ型並列計算機上で解くことを考える.一般に,反復法をプロセス並列化するとき,算法中に含まれる内積演算のためにプロセス間に通信が発生する.そのため,並列台数を増やした場合に通信の負荷が大きくなる.MrsR(ミセスR)法は,1 反復中の同期点数を 1 回に削減した解法であり,MPI フラット並列化においてよい並列性能を示すことがすでに示された.そこで,本研究では,MrsR 法のさらに Hybrid 並列化を行い,その高い並列性能を評価する.

  • 講演5 14:30 ~ 15:00
    対称正定値行列を係数とする連立1次方程式へのフィルタ法適用の検討
    ○村上 弘(首都大学東京)

    概要:係数が対称正定値行列の連立1次方程式を解く際に,係数のレゾルベントの組合わせによるフィルタを用いて,大きい固有値の部分空間と小さい固有値の部分空間に方程式系を近似的に分解して取扱う手法を考察検討する.

休憩(15:00 ~ 15:15)

セッション3 座長: 緒方 隆盛(NEC)(15:15 ~ 16:45)

  • 講演6(15:15 ~ 15:45)
    部分固有対計算ソフトウェアARPACKの改良について
    ○藤井 祐貴(京都大学),石上 裕之(京都大学),木村 欣司(京都大学),中村 佳正(京都大学)

    概要:本講演では,部分固有対問題を解くためのアルゴリズムであるimplicitly restarted Arnoldi法を実装したソフトウェアARPACKの改良について報告する.ARPACK の内部では、直交化および再直交化計算を必要とする.現状では,古典Gram-Schmidt法のLevel-2 BLASによる並列実装が用いられているが,Level-1 BLAS実装とOpenMPによる配列リダクションを組み合わせた並列実装に変更した.並列計算機上での種々の数値実験において,実行時間が大幅に短縮したことを確認した.

  • 講演7(15:45 ~ 16:15)
    GPUを用いたマルチシフトQR法とその性能最適化
    〇西澤 慶亮(名古屋大学),宮田 考史(名古屋大学)

    概要:本研究は,固有値解法であるマルチシフトQR法を扱う.特に,CPUとGPUのヘテロジニアス環境下において,GPUの効率的な利用方法を検討し,高速化を図る.さらに,開発したアルゴリズムの性能をより引き出すため,最適なシフトパラメータの見積もりに取り組んだ結果を報告する.

  • 講演8(16:15 ~ 16:45)
    一般化固有値問題むけ最適複合化ソルバの構成と性能評価
    ○井町 宏人,星 健夫(鳥取大学,JST-CREST)

    概要:電子構造計算などで現れる大規模な対称正定値一般化固有値問題に対して,最適に複合化された分散並列ソルバを構成した.これは解法を構成する部分的な手続きに対し,分散並列環境において密行列固有値計算を扱うライブラリであるScaLAPACK,EigenExa,ELPAのルーチンを組み合わせたものである. 430080次元までの行列を入力として,「京」コンピュータを含む各種計算機上での性能評価の結果を報告する.

休憩(16:45 ~ 17:00)

セッション4 座長: 相島 健助(東京大学)(17:00 ~ 18:00)

  • 講演9(17:00 ~ 17:30)
    高精度特異値分解のための直交QD法の改良
    ○田中 博基(京都大学),石上 裕之(京都大学),木村 欣司(京都大学),中村 佳正(京都大学)

    概要:発表者らはvon Matt(1994)により提案された直交QD法に対して,より高精度に特異値分解を行うためのアルゴリズムと実装上の改良を行ってきた.本講演では,一般化Givens回転行列の新しい計算法および新しい収束判定法などを導入することで,さらなる精度の向上を試みた結果,種々の行列の数値実験において特異値の相対精度および特異値分解の精度が向上し,全てではないものの多くの場合,Demmel-Kahan QR法(LAPACK)と比較してより高精度となることを報告する.

  • 講演10(17:30 ~ 18:00)
    最小固有値に対するLaguerre下界の最適性とシャープさについて
    ○山本 有作(電気通信大学)

    概要:対称正定値行列の最小固有値に対する下界は,条件数の推定や固有値計算におけるシフト量の決定で重要である.有用な下界として,逆行列のべき乗のトレースTr(A-1),Tr(A-2)を使ったLaguerre下界があり,特異値計算などで使われている.本発表では,Tr(A-1),Tr(A-2)を使って計算できる下界の中でLaguerre下界が最適であることを示すとともに,本下界が最もシャープでなくなる場合,つまり下界と最小固有値とのギャップが最大となる場合について考察する.

【クロージング 5分】18:00 ~ 18:05 幹事: 宮田 考史(名古屋大学)


【運営委員会】
時間:12:50 ~ 13:20
場所:セッション会場の隣(東京大学工学部6号館 3階セミナー室B)

【懇親会】
時間:18:30 〜 20:30
場所:セッション会場と同じ(東京大学工学部6号館 3階セミナー室A・D)
会費:4,000円
懇親会にご参加頂ける場合は,下記の参加票をお送りください.
宛先 (E-mail):   mepa2014 ‘@’ na.cse.nagoya-u.ac.jp
締め切り:2014年12月19日(金)

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件名: 第18回研究会 懇親会参加票
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