第15回単独研究会(SWoPP2013)

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第15回研究会

 

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第15回研究会を開催致します.本研究会は SWoPP北九州2013 において,他学会の研究会との連携で開催されます.

  • 会期:2013年7月31日 (水) – 8月2日 (金)
  • 会場:北九州国際会議場
  • 住所:〒802-0001 福岡県北九州市小倉北区浅野3-9-30

プログラム
8月1日 (木) D会場

セッション1:反復解法の並列計算 座長:多田野 寛人(筑波大学)(9:00 – 10:30)

  • 講演1(9:00 – 9:30)
    ポストペタスケールシステムのための並列前処理付き反復法
    ○中島 研吾(東京大学)

    概要:ポストペタスケールのための並列前処理手法付き反復法,特に並列多重格子法の通信量削減による最適化についてFujistu PRIMEHPC FX10,T2K東大における計算例と共に紹介する。

  • 講演2(9:30 – 10:00)
    非対称行列用BiCGSafe法の並列化の改良
    ○藤野 清次(九州大学)

    概要:非対称行列用の反復法の一つであるBiCGSafe法の並列化について報告する.従来のBiCGSafe法では分散型の計算機上で並列化を行うとき同期点が1反復当り2回必要であった.本発表では,同期点の回数を1回に減らしたBiCGSafe法の並列性能を報告する.

  • 講演3(10:00 – 10:30)
    再直交化付きブロック逆反復法による固有ベクトルの並列計算とその性能評価
    ○石上 裕之,木村 欣司,中村 佳正(京都大学)

    概要:行列演算を用いた並列計算向きの固有ベクトル計算法として, ブロック逆反復法がある. これに対して, 著者らにより, 従来のブロック逆反復法の再直交化計算部を改善した, 再直交化付きブロック逆反復法が提案されている. 本講演では, マルチコア計算機上でこれらのアルゴリズムによって実対称3重対角行列の固有ベクトルの並列計算とその性能評価を行った結果を報告する.

セッション2:固有値計算 座長:宮田 孝史(名古屋大学)(10:45 – 12:15)

  • 講演4(10:45 – 11:15)
    複素エルミート定値一般固有値問題のフィルタ対角化法
    ○村上 弘(首都大学東京)

    複素エルミート行列AとB(Bは正定値とする)を係数にもつ定値一般固有値問題Av=λBvの固有対で固有値λが指定区間内にある比較的少数個のものだけ(数十個から数百個程度)をフィルタ対角化法を用いて解く実験を紹介する.フィルタには係数行列に対応するレゾルベントの線形結合を用いる.但し係数の行列はレゾルベントの作用を与える連立1次方程式が容易かつ高速に解ける幅の狭い帯行列とする.

  • 講演5(11:15 – 11:45)
    周回積分型固有値解法に対するBlock Krylov部分空間に基づく新解釈
    ○今倉 暁(筑波大学),杜 磊,櫻井 鉄也(筑波大学,JST/CREST)

    概要:一般化固有値問題に対する周回積分型固有値解法のBlock Krylov部分空間に基づく新解釈について講演する.

  • 講演6(11:45 – 12:15)
    帯行列の一般化固有値問題向け分割統治法
    ○廣田 悠輔,今村 俊幸(理化学研究所,JST/CREST)

    概要:実対称三重対角行列の一般化固有値問題向け分割統治法がElsnerらによって提案されている.本講演では,実対称帯行列をブロック帯行列と(半帯幅 − 1)個のランク1積の和に分解してElsnerらの手法を再帰的に適用する,実対称帯行列の一般化固有値問題の分割統治法について述べる.また,本手法の数値実験による精度評価結果について報告する.

セッション3:自動チューニング・高性能計算・実装技術 座長:相島 健助(東京大学)(13:30 – 15:00)

  • 講演7(13:30 – 14:00)
    高精度行列-行列積アルゴリズムの疎行列演算化による高速化
    ○片桐 孝洋(東京大学),尾崎 克久(芝浦工業大学),荻田 武史(東京女子大学),大石 進一(早稲田大学)

    概要:高精度行列‐行列積のアルゴリズムにおいてOpenMPでスレッド並列化する際、計算の途中で疎行列化することによる高速化手法を提案する。

  • 講演8(14:00 – 14:30)
    固有値分布推定による周回積分を用いた並列固有値解法のパラメータ自動設定
    ○前田 恭行,Claus Aranha,櫻井 鉄也(筑波大学)

    概要:周回積分を用いた固有値解法を並列環境で実行するときに,複数のパラメータを適切に設定することで高い性能が得られる.これらのパラメータは固有値を求めようとする領域近傍の固有値分布状態が大きく関係する。本発表では固有値解法の性能を上げるために,確率的固有値分布推定法を用いてパラメータを設定する方法について発表する.いくつかの数値実験により提案手法の有効性の検証を行う.

  • 講演9(14:30 – 15:00)
    周回積分を用いた並列固有値解法に基づく固有値解析エンジンの実装
    ○二村 保徳,櫻井 鉄也(筑波大学)

    概要:周回積分を用いた並列固有値解法に基づく固有値解析エンジンの実装について講演する.