日本応用数理学会 2014年度年会 3部会連携OS
- 会期:2014年9月3日 (水) – 9月5日 (金)
- 会場:政策研究大学院大学
- 住所:〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1
- 年会全体のWebページ:http://jsiam2014.jsiam.org
プログラム
9月5日 (金) G会場
セッション1:行列・固有値問題とその応用(1)(9:30 – 10:30)
- 講演1(9:30 – 9:50)
Modulus Inner-outer Iterative Methods for Nonnegative Constrained Least Squares Problems
○ZHENG Ning(総合研究大学院大学, Tongji University),速水 謙(国立情報学研究所, 総合研究大学院大学),YIN Jun-Feng(Tongji University)Abstract: For the solution of nonnegative constrained least squares problem, a new iterative method is proposed by solving a series of unconstrained least squares problems in inner iterations with modulus transformation in outer iterations. Theoretical convergence analysis and the choice of parameter matrix are presented. Numerical experiments show the proposed methods outperform the projected type methods with less iteration steps and CPU time.
- 講演2(9:50 – 10:10)
3項テンソル和に対する最大・最小特異値計算について
○大橋 あすか(愛知県立大学),曽我部 知広(愛知県立大学)概要:本発表では,拡張されたテンソル和構造を持つ行列の最大・最小特異値計算を目的とし,Lanczos 二重対角化法に基づく効率の良い実装法と初期値を提案する. 3次元PDEの離散化で得られる行列を用いてその有効性を検証する.
- 講演3(10:10 – 10:30)
幾何学的最適化に基づく近似的同時特異値分解アルゴリズム
○佐藤 寛之(東京理科大学)概要:画像処理などに応用される複数の長方行列の近似的同時特異値分解問題を,2つのシュティーフェル多様体の積多様体上の最適化問題に帰着し,その幾何学的構造と信頼領域法に基づく解法アルゴリズムについて議論する.
セッション2:行列・固有値問題とその応用(2)(11:00 – 12:00)
- 講演4(11:00 – 11:20)
線形方程式向き双ランチョス系統の前処理付きアルゴリズムに対する初期シャドウ残差ベクトルの構成方法について
○伊藤 祥司(東京大学),杉原 正顯(青山学院大学)概要:従来の典型的なPBiCGやPCGSアルゴリズムの初期シャドウ残差ベクトル(r#0)の設定では,両アルゴリズムともr#0=r0(r0:線形系の初期残差ベクトル)とした場合,同じ設定のように見えるが,実は全く異なる系が構成される.このような点に着目した解析結果について報告する.
- 講演5(11:20 – 11:40)
対称行列に対してCG法の収束性を超える解法はないのか?
○藤野 清次(九州大学),古賀 祥造(九州大学),岩里 洸介(九州大学大学院)概要:対称行列を係数行列にい持つ線形方程式を反復法で解く場合、 CG法が使われることが多いが、本当にそうだろうか? という 素朴な疑問に対する回答を発表。 答えは「否」である。
- 講演6(11:40 – 12:00)
対称固有値問題に対するRayleigh-Ritzの技法において収束を保証するリスタート戦略について
○相島 健助(東京大学)概要:対称固有値問題の一部の固有対を計算する際Rayleigh-Ritzの技法がよく用いられる.本発表ではリスタートに最大Ritz値を用いる場合に対して,収束を理論保証するための一般的な部分空間の生成法について述べる.
セッション3:行列・固有値問題とその応用(3)(13:40 – 15:00)
- 講演7(13:40 – 14:00)
フィルタ対角化法について
○村上 弘 (首都大学東京)概要:レゾルベントの多項式をフィルタ作用素として用いて行列の固有値問題 を近似して解く方法について考察する。
- 講演8(14:00 – 14:20)
TN行列の逆固有値問題の離散ハングリー戸田方程式による有限ステップ解法について
○赤岩 香苗(京都大学),中村 佳正(京都大学),岩崎 雅史(京都府立大学),堤 久宜(同志社大学),近藤 弘一(同志社大学)概要:TN行列はすべての小行列式が非負の行列である. 本講演では,指定した固有値をもつようなTN行列を求める逆固有値問題について, 離散ハングリー戸田方程式に基づく解法を提案する.
- 講演9(14:20 – 14:40)
低階数摂動を伴う実対角行列の固有ベクトル計算の改良
○後藤 光伸(埼玉大学),桑島 豊(埼玉大学),重原 孝臣(埼玉大学)概要:固有値問題の標準的な数値解法の一つである分割統治法を拡張した解法に多分割の分割統治法(DCK)がある。DCKから帰着され、DCKの精度に強く影響を与える、低階数摂動を伴う実対角行列の固有値計算の改良を行う。
- 講演10(14:40 – 15:00)
コンパニオン型行列固有値による有理関数の根計算
○中務 佑治(東京大学),Noferini Vanni(Univ. Manchester),Townsend Alex(MIT)概要:多項式の根はCompanion型行列の固有値として計算できることが知られている。本研究では有理関数で部分分数や連分数で表現されるものの根を多項式に帰着せずに直接行列固有値で計算する方法を提示する。
セッション4:行列・固有値問題とその応用(4)(15:10 – 16:30)
- 講演11(15:10 – 15:30)
Cache-Cache (カシュカシュ) Balance 法による反復法の並列化
○藤野 清次(九州大学),伊東 千晶(九州大学)概要:IDR(S)法などの反復法の並列化。 Cache-Cacheにより要素のバランスをとり並列化する方法について発表。
- 講演12(15:30 – 15:50)
通信を考慮したオーダリングによる SSOR 前処理の並列化
○鈴木 克(秋田県立大学),中村 真輔(秋田県立大学),小澤 一文(秋田県立大学)概要:対称 SOR 法を前処理に用いた共役勾配法を分散メモリ型並列計算機に実装するために,通信を考慮したオーダリングを用いて並列化を行なう手法を提案する.また,数値実験の結果からマルチカラーオーダリングによる並列化やその他の前処理との比較を行なうことで提案手法の性能を検証する.
- 講演13(15:50 – 16:10)
スーパーコンピュータを使用した列方向並列化による行列分解計算の高速化
○小嶋 弘樹(山梨大学),鈴木 智博(山梨大学)概要:RightLookingやStaticPipelineなどのスケジューリング手法により、行列分解の行方向の並列化による高速化は行われてきた。本研究では、列方向の並列化であるCAQRをCray XE6上に実装し,行列分解計算の高速化を試みる.
- 講演14(16:10 – 16:30)
マルチGPU環境におけるタイルCAQRアルゴリズムの実装
○高柳 雅俊 (山梨大学), 鈴木 智博 (山梨大学)概要:近年、通信(データ移動)削減アルゴリズムに対する関心が高くなっている。 我々はタイルCAQRをCPU/GPU混在環境上に実装した。 発表では、実装方法、性能評価について報告する。