日本応用数理学会 2013年度年会 3部会連携OS
- 会期:2013年9月9日 (月) – 9月11日 (水)
- 会場:アクロス福岡
- 住所:〒810-0001 福岡市中央区天神1-1-1
- 年会全体のWebページ:http://jsiam2013.kyushu-u.ac.jp
プログラム
9月9日 (月) 東(608会議室)
セッション1:行列・固有値問題の解法とその応用(1)(16:30 – 17:50)
- 講演1(16:30 – 16:50)
Effective Condition Numbers of Linear Systems Arising from Discretization of Elliptic Equations with Singularities
張 暁宇(北京林業大学理学院),○方 青(山形大学理学部)概要:特異性を持つ楕円型方程式の境界値問題の離散化で得られた線形システムを考える。通常の条件数ではなく、Effective条件数を導入して調べたことにより、数値解の収束性の正当性を主張することができた。
- 講演2(16:50 – 17:10)
スムージングを用いたIDRstab法の擬似最小残差化
○相原 研輔(東京理科大学),阿部 邦美(岐阜聖徳学園大学),石渡 恵美子(東京理科大学)概要:IDRstab法の残差ノルムは,従来のBiCG系統の解法と同様に振動する.これを改善するため,スムージングを用いた擬似最小残差化を提案する.数値実験により残差ノルムが滑らかに収束することを示す.
- 講演3(17:10 – 17:30)
双共役残差型反復解法の複数右辺ベクトル対応版への拡張と性能評価
○多田野 寛人(筑波大学),石川 陽一(株式会社FBS),今倉 暁(筑波大学)概要:反復過程の残差の振動は,近似解の精度に影響を与えることが知られている.本講演では,残差の振動を抑制する双共役残差型反復解法を複数右辺ベクトルをもつ問題に対して拡張し,近似解の精度,及び収束性について性能を評価する.
- 講演4(17:30 – 17:50)
前処理付きBiCGに対する初期シャドウ残差ベクトルの構成方法と前処理系の切り替えについて
○伊藤 祥司(東京大学),杉原 正顯(青山学院大学)概要:BiCG法に対し,線形方程式の前処理変換方向を変えることで前処理系が切り替わるが,双対系の初期シャドウ残差ベクトルの構成を変えただけでも等価な前処理系の切り替えができることを示す.
9月11日 (水) 東(608会議室)
セッション2:行列・固有値問題の解法とその応用(2)(9:30 – 10:50)
- 講演5(9:30 – 9:50)
二分法による実対称三重対角行列の固有値の近似計算
○村上 弘(首都大学東京・数理情報科学専攻)概要:実対称三重対角行列を対角シフトした行列を,数値安定なBunchの方法で対称分解すると,シフト値未満の固有値の個数がシルベスタの慣性律からわかる.このことを用いて,二分法で固有値の存在する区間を縮小することで,必要な固有値の近似値が求められる.
- 講演6(9:50 – 10:10)
周回積分を用いた並列固有値解法に対するパラメータ設定について
○前田 恭行(筑波大学),Claus Aranha(筑波大学),櫻井 鉄也(筑波大学・JST CREST)概要:周回積分を用いた固有値解法を並列環境で実行する際,複数のパラメータを適切に設定することで高い性能が得られる.本発表では確率的固有値分布推定法を用いてパラメータを設定する方法について発表する.
- 講演7(10:10 – 10:30)
リスタート付きJacobi-Davidson法の大域的収束性について
○相島 健助(東京大学)概要:Jacobi-Davidson法は固有値問題の有力な解法である.本発表では,対称固有値問題に対するリスタート付きのJacobi-Davidson法に対し,Ritz値を用いる場合,Harmonic Ritz値を用いる場合の大域的収束を示す.
- 講演8(10:30 – 10:50)
新シフト戦略によるoqds法の反復回数の削減と高精度特異値分解への応用
○田中 博基(京都大学),山下 巧(無所属),木村 欣司(京都大学),中村 佳正(京都大学)概要:Givens回転の合成によって高精度で特異ベクトルを計算するoqds法に対して,この講演では新しいシフト戦略によってoqds法の反復回数を削減することで特異値分解が高速化されることを報告する.
セッション3:行列・固有値問題の解法とその応用(3)(11:00 – 12:00)
- 特別講演(11:00 – 11:40)
Modulus-Based Matrix Splitting Iteration Methods for Linear Complementarity Problems
○Bai Zhong-Zhi(Chinese Academy of Sciences)Abstract: We study effective matrix splitting preconditioners for non-Hermitian system of linear equations by constructing SSOR-like preconditioners when the Hermitian or the skew- Hermitian part of its coefficient matrix is dominant. We derive tight bounds for the eigenvalues of the preconditioned matrices and obtain the convergence rate of the corresponding preconditioned GMRES iteration method. Moreover, we use the numerical examples to show that these SSOR-like preconditioners, when applied to preconditioned GMRES iteration method, are efficient for solving the non-Hermitian system of linear equations.
- 講演9(11:40 – 12:00)
Reducing Two Symmetric Matrices to Band Form by Congruence Transformations
○杜 磊(筑波大学・JST CREST),今倉 暁(筑波大学),櫻井 鉄也(筑波大学・JST CREST)Abstract: Given two dense symmetric matrices, we propose a method to simultaneously reduce them to band form by congruence transformations. As the implementation of our method is based on the Level-3 BLAS operations, high performance is expected to achieve. Numerical results will be presented to show the efficiency of the proposed method.