第19回単独研究会(SWoPP2015)

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第19回研究会

 

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第19回研究会を開催致します.本研究会は「2015年並列/分散/協調処理に関する『別府』サマー・ワークショップ (SWoPP2015)」において,電子情報通信学会,情報処理学会の6研究会との連携により開催されます.


プログラム
8月5日 (水) C会場

セッション1:行列計算(15:15 – 16:45) 座長:多田野 寛人(筑波大学)

  • 講演1(15:15 – 15:45)
    内部固有値問題のためのFEAST法に対するArnoldi/Lanczos型改良法の提案
    ○今倉 暁(筑波大学),二村 保徳(筑波大学),櫻井 鉄也(筑波大学,JST/CREST)

    概要:近年,多項式フィルターを用いた内部固有値解法に対してLanczos法に基づく改良法が提案された.本講演ではこのアイディアに基づき,加速部分空間反復法に基づく周回積分型固有値解法であるFEAST法のArnoldi/Lanczos型の改良法を提案する.

  • 講演2(15:45 – 16:15)
    周回積分型固有値解法における円弧領域への拡張
    ○前田 恭行(筑波大学),櫻井 鉄也(筑波大学)

    概要:複素平面上の特定の円の円周近傍の固有対が必要となる固有値問題が存在する.本発表では円周領域を分割した円弧領域で固有対を求めるSakurai-Sugiura法の拡張について発表する.

  • 講演3(16:15 – 16:45)
    大規模非適切問題に対するGKB-FP法の適用
    ○富樫 大(慶應義塾大学理工学研究科),野寺 隆(慶應義塾大学理工学部)

    概要:本発表では,大規模標準Tikhonov正則化問題を解く有効な反復法の1つであるGKB-FP法の拡張手法を用いて,一般Tikhonov正則化問題の新しい解法について考案し,数値実験により提案手法の有効性を示すことにする.

セッション2:高性能計算(17:00 – 18:30) 座長:片桐 孝洋(東京大学)

  • 講演4(17:00 – 17:30)
    圧縮センシングに基づく高分解能DoA推定に対する高速化手法の性能評価
    ○後町 将人,高橋 善樹,尾崎 敦夫(三菱電機)

    概要:観測量を増やさずに電波到来方向(Direction of Arrival)推定を高分解能化するには、連立方程式計算を繰り返して疎ベクトルを求める手法が有力である。この手法を低演算量化・並列化した実装方式と性能評価結果を報告する。

  • 講演5(17:30 – 18:00)
    GPUクラスタにおける周回積分型固有値解法の密行列向け並列実装と性能評価
    ○矢野 貴大,二村 保徳,櫻井 鉄也(筑波大学)

    概要:近年,大規模並列計算環境において高い並列性を持つ周回積分型固有値解法が注目されている.本講演では,GPUクラスタ上における同法の密・一般化固有値問題向け分散並列実装,及び性能評価について述べる.

  • 講演6(18:00 – 18:30)
    ペタ・ポストペタスケールシステムにおける密行列向けアルゴリズムの実行時間:EigenExaの開発を通して得られた実測データに基づく考察
    ○深谷 猛(理研AICS,北大,JST CREST),山本 有作(電通大,JST CREST),今村 俊幸(理研AICS,JST CREST)

    概要:ペタ・ポストペタスケールの並列計算機上での密行列計算アルゴリズムの実行コストについて考察する。既に,アルゴリズムの実行時間が,浮動小数点演算数だけでなくその他の様々な要因に依存していることは周知の事実である。本発表では,固有値ソルバEigenExaの開発過程で得られた京コンピュータ等の上での実測データから,アルゴリズムの実行時間を分析する。さらに,予想される次世代システムの性能を踏まえた展望を議論する。